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「え?」
一瞬だけ、あいしてる、ってなんだっけ? って考えた。
お仕事から帰ってくる途中で新幹線がいっぱい止まっちゃって、ちょっと遅くなっちゃった。駅で待ってた春臣は、僕を見るとすぐに抱きしめて、手を繋いで駐車場に連れて来てくれて。車に乗ったら、ちゅーしてくれた。
で、あいしてる、って。
春臣はすっごく真剣な顔してるし、僕はものすごく嬉しくて、口が勝手に返事してた。
「…うん、ずっと知ってた」
言っちゃってから、愛してるって、大好きってことだよね、って思い出した。
好きより大っきい大好きの、それより大っきい大好きのこと。
生まれて初めての、愛してる。大っきくて、眩しくて、くらくらしそう。
「でも、すごく嬉しい」
僕の返事を聞くと、春臣はまたちゅーしてくれる。
初めて春臣から聞いた好きはすごく大っきい大好きで、声に大好きが溢れちゃってたから、考えなくても、あいしてるの意味がわかったんだ。
ずーっと、春臣が僕のこと大好きでいてくれたの、知ってるよ。
照れ屋さんだから言わないのかと思ってた。
春臣、ちょっと可愛いね。
その照れ屋さんが頑張ったんだなぁって思うと可愛くて、ちょっとだけ笑っちゃう。
僕をぎゅーって抱きしめて、もう一回耳のそばで「愛してる」って言ってくれた。
何か、すごい。
ドキドキしちゃう。
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