悪魔の微笑み

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 僕の名前は二階堂菊政(にかいどうきくまさ)。  名前に負けず劣らずの美貌を誇っている。  僕はそんな自分の美貌を活かしてホストという道を選んだ。  某月のある日─── 『自粛! 自粛! 自粛!』 「うわ! なんだこいつら!?」  ホストクラブという女性のための楽園に得体の知れない団体がボーイの制止を振り切り店の中へと入ってきた。 『自粛! 自粛! 自粛!』 「お帰りください! 他のお客様にご迷惑です!」 “パシャパシャ” 「なっ!? てめぇ──」 「我伊亞(ガイア)! 下がるんだ!」 「店長!? でも──こいつら勝手に写真撮ってますよ!?」 『自粛! 自粛! 自粛!』 「こいつら……自粛警察だ……」 「自粛……警察?」  飲めや歌えやで各々自分達の世界にトリップしていた客たちも騒ぎに気付いたらしく店内は静まり返った。 「え、何あの集団……?」 「自粛警察って言ってるわよ」  客もホストたちも少しずつ状況を理解しはじめたようだ。 「マリンちゃん、ごめんね。ちょっと見てくるよ」 「あ~ん、きくりん。すぐ戻ってきてね」 「うん、すぐ戻るよ」  僕は常連のマリンちゃんの接客中だったが様子を見に行く事にした。 「店長! 大丈夫ですか?」 「菊政! マズイことになった……」  自らを自粛警察と名乗る集団は一斉にスマホを店内に向けはじめる。 『写真を撮れ! こいつらを曝すんだ!』 「おい! お客様を勝手に撮影するな!」 『自粛! 自粛! 自粛!』 『自粛! 自粛! 自粛!』 “パシャパシャ” “パシャパシャ” 「やめろぉぉぉ!」 “パシャパシャ” “パシャパシャ”
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