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続いて束砂さん。
「あなた、デザインとかしてたのね……。私気付かなかったの。まさか子孫にこんな才能いたなんてね……」
「そんなことより、でしの話をしましょう!」
なぜか去年と同じく束砂さんは、でしの話に誘導する。褒められるより楽しい話が希望のようだ。
更紗さんは今年もしっとりと火の玉と話し込んでいる。更紗さんは近いご先祖で、更紗さんも知っている人らしいので、俺もあんまり聞き耳は立てない。多分、おばあちゃんなんだよね。更紗さんの火の玉を見ると俺だっていいなぁと思う。
はろんさんの火の玉はらぶとヴェアの話ばかり。はろんさんがスマホの写真を見せてらぶとヴェアを自慢している。はろんさんのご先祖はやはり動物好きなんだろうね。
毎年不安になるのが親父の火の玉。いきなり蹴って親父を気絶させる火の玉だからな。
「あー。また呼んじゃったかぁ。お前と波長が合う私は、あの世で結構酷い扱い受けてるんだが?申し開きはあるか?」
「私に後悔は一切ない!!」
親父の火の玉に青筋が浮かんだ気がした。
「お前になくとも、こちらにあるんじゃー!!」
親父の火の玉は楽しそうに説教ははじめた。親父いじめが楽しいのは俺には否定できないから見ないことにした。
大と徹の火の玉は、なぜか一緒に花火をしている。大と徹も説教パターンが多いからか、花火を持ち込み小細工をしてるようだ。
「花火なんかで懐柔されるとはなぁ」
「まぁ一晩あるから説教は確実なのだがなぁ」
女体化した俺に鼻の下を伸ばしまくる大と徹に大と徹のご先祖はいつも不満を持っている。生産的じゃないと言うが安心してほしい。恋愛に発展する可能性は皆無だ。
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