二番目「引きこもり」青山修次郎

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二番目「引きこもり」青山修次郎

 オレは、世間でいうところの「引きこもり」だ。  青山修次郎19歳、男。童貞。  東北の田舎から、東京の大学に出て来たのが今年の4月。親に内緒で大学を休学し、小金井の自宅アパートで、今はひたすらネットゲーム三昧の日々だ。  正直、オレは東京に馴染めなかった。 「青山君って、何言ってるか分かんない」 「濃いよね、色んな意味で」 「てかさ、もっと心開けよ」 「酒飲んでるだけでさ、面白くないんだよね。話が」  そんな、オレをバカにする言葉ばかりが胸に突き刺さった。  東京に出て来れば、楽しいことが待っていると思っていた。  サークルに合コン。そして、彼女との劇的な出会い。  同棲、そして初めての旅行。  初めての……。  そんな生活が待っていると、勝手に思い込んでいた。 ーだが、現実はどうだ?  昼でもカーテンを閉め切り、ネットゲーム「ラバイバル」ばかりを一日中やっている。
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