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「ようこそ、何でもレンタルショップへ」
いつの間にか真っ白な部屋にいた俺の目の前に、少年が現れた。
白いシャツに白いズボン。肩の上で切り揃えられた艶のある黒髪を揺らし、少しつり上がった大きな瞳が俺を見上げる。幼さの残る整った顔立ちは、少女のようにも見えた。
「何をご所望ですか?」
「えっ? ご所望?」
「ここは、何でもレンタルショップです。何でもお貸しいたします」
「何でも?」
「はい。何でも」
頭に浮かんだのは、別れたばかりの多田雛乃。彼女に未練はないが……
「彼女ですね。お貸し出来ますよ」
「えっ? 彼女を貸す?」
ああ、そういう人材派遣サービスあるよね。でも、結構高かったような……
「レンタル代にお金は必要ありません」
「えっ?」
「まずは、会ってください」
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