運命

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 「俺が、お前と離れたくなかったんだよな。公私混同」  これまで見せたことのない顔で、そんな事を言う。  きっと職場が違ったら、私達の縁は簡単に切れる。  寂しい。すごくすごく寂しい。  でも、言わない。  「もうメニュー開発なんて手伝わないんだからね!あの時、めちゃめちゃ体重増えたんだから。今度は由紀乃と頑張って」    「いや、あん時はヤバかったよな」  サトハルも思い出して大笑いしている。  今となっては、楽しかった思い出。サトハルとの大切な時間。  「プレオープン、店長と来るんだろ?」    「あ、うん。さっき聞いた」  なんか気乗りしないんだけど……業務命令だって。  「お前、絶対来いよ」  私の気持ちを察してか、先手を打たれる。  トイレに立って戻って来たら、店長や他のスタッフと子どもや家庭の話で盛り上がってて、もうそこには入れなかった。  由紀乃を見つけて、そこの輪に加わる。  「センパイ、最近雰囲気変わりましたよね。恋ですかー?」  後悔したくなる、いきなりの爆弾投下。  「……え、えー?そっかなあ。変わってないよ」  ニヤニヤしながら『ふーん』と言って、それ以上突っ込んでこないから余計に気になってしまう。悪い子。  「あ、聞きました?面接に来てるの、なかなかなイケメン揃いらしいですよ。楽しみ〜センパイ、待ってて下さいね」  ニッコニコしながら話す由紀乃は、とっても可愛いんだけど。  「なに、紹介してくれんの?私の好みわかってんのー?」  何気に聞いただけなのに、  「佐藤先輩でしょ?」  まさかの、爆弾投下第2弾。  「……え?」  ちょ……待って待って、何言ってんの?  「え?」  違うの?って顔でキョトーンとしてる。
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