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柿畑を丸はだかにすると、古墳の入口が出てきて、その奥に、石で出来た棺があった。石で出来た棺のことを、石棺という。その、石棺に小さな孔を開け、そこからファイバースコープというカメラつきの細いチューブを入れて中を見たところ、金色に光るものが映った。それから、日本中が大騒ぎになった。
この古墳は未盗掘で、石棺の中には金色の財宝が残っている!
未盗掘、とは、いまだ泥棒に盗まれていない、という意味だ。未盗掘の古墳は、極めて珍しいのだそうだ。
未盗掘ということは、石棺の中には、被葬者の骨もあるだろう。骨を調べたら、それが誰なのか予測がつくかもしれない。被葬者、とは、石棺の中に葬られている人、という意味だ。映像で見る限り、財宝はかなり豪華なものらしい。
古墳の近くには法隆寺があるので、その被葬者は、聖徳太子に近い人、それも、天皇クラスの重要人物である可能性が高いのだという。聖徳太子とは、飛鳥時代に法隆寺を建てた人だ。とても頭が良くて、天皇を助ける仕事をしていた、という。ここまでの内容を、タクミとケントは、連日放送されたテレビの解説で知った。
古墳は、所在地の字名から「藤ノ木古墳」と名づけられた。
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