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高校二年の夏。
周りの奴らは、部活や恋に謳歌する同級生たちと僕は違う生活をしている。
僕は、朝から夜まで家から出ない。でも、僕は何も困らない。
僕はただ小説を書いていたい。
「郁也ー! 毎日毎日何を家に籠ってるのよ! たまには外に出なさい!!」
一階から母の声がした。
うるさいなとは思ったけれど、外の世界に小説のネタが落ちていることがあるのも事実だ。
百聞は一見に如かず。
なけなしの小遣いの入った財布とお年玉で買ったノートパソコンに詰め込んで、僕はいつものレストランに向かうことにした。
寺島郁也、十六歳。将来の夢は小説家。
主な受賞歴は……、特にない。
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