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「何とまぁ……私と夫の出会いみたいだわ……」
そんな鉛筆たちの物語に、奥さんは吐息を漏らした。
「いやー、いいラブロマンスを見ましたね」
「そうね……このまま、一緒にいさせてあげたいわ。ねぇ、あなた」
「おっと奥さん、みなまで言わなくても結構。俺もこの二人を邪魔する気はありませんよ」
「あら、ありがとう。じゃあ、何かお礼をするわね」
奥さんはそう言うと、鞄をゴソゴソと漁った。
「あ、これなんてどうかしら?」
奥さんが鞄から取り出したものは──……。
カニカマ1本だった。
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