九.神保町ブックセンター

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九.神保町ブックセンター

 お正月気分はすっかり消えましたが、今年もよろしくお願いします。2021年初の『響味津々!』です。  物書きの皆さんは古本・稀覯本・古書の聖地神保町に行ったことは有りますか? 私は古いミステリーやSFを趣味と文章修行で読んでいて、本屋に無いものは神保町で調達する……というのを5年以上続けていました。お陰で実家の本棚一列が私が買った神保町の古本で占領されました。今は環境が変わって買わなくなりましたが、神保町通いそのものは続けています。だって楽しいもの。  そんな神保町に「神保町ブックセンター」なる店が有ります。前身は「岩波ブックセンター」という名前の岩波書店の本拠地で、長く閉店していたのが蘇ったものです。「岩波ブックセンター」の時も岩波書店出版本を所狭しと置いていたのですが、「神保町ブックセンター」の現在では新しく出来た喫茶スペースを岩波書店本たちが囲んでいます。音楽はセンス良いし、無駄に騒ぐお客さんも居ないし、大変落ち着いた喫茶店です。此処のフルーツサンドが大きくて食べ応えがあって大好きなんですよー。他のも頼みたいなと思ってもつい頼んでしまう。  「神保町ブックセンター」に来れば岩波書店本の流通がほぼ分かると言って良いでしょう。「岩波のあの本がどうしてもない!」となったらブックセンターに行くのも一興?  私は小説家の夢を挫けそうになったら本屋に入ります。其処で「私も自分の本を出すんだ!」と喝を入れます。殆ど根性論ですが、不思議と気が引き締まります。本屋で買い求めた本、エブリスタで読んだ作品、その全てが私の栄養になって、私だけが書ける文章で、文学という世界を創ることが出来るようにと願うように言い聞かせながら今日も私は本と液晶画面に向き合う。
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