十二.「作家 身の回り その2」

1/1
前へ
/53ページ
次へ

十二.「作家 身の回り その2」

 公募も有りますが、「(響香は)外に出ないと中から腐って無精極まりなくなるから忙しくても外に出ろ」とよく諫言されるので少し遠出して鎌倉、鎌倉文学館に行きました。いずれはあのような文豪の端くれになるのだ、と肖りに参りました← 鎌倉文学館は前田侯爵の別邸だっただけあってすごく素敵な洋館で薔薇の時期になると1枚の風景画になるほど美しいです。写真でしか見たことが無いので今年こそは生で見てみたいですね。企画が合えば←  企画展は「作家 身の回り その2」。その1は逃しましたが、2をギリギリで見ることが出来ました。鎌倉ゆかりの作家、評論家、文豪、文化人たちの愛用品が展示されています。久米正雄(1891-1950)のカメラとか直木三十五(1891-1934)のコーヒーミルとか小津安二郎(1903-1963)の赤いやかんとか里見弴(1888-1983)の拡大鏡やユニフォームとか。トントン先生←の拡大鏡は兄、生馬の海外土産です。流石は坊っちゃん。  鎌倉は高濱虚子(1874-1958)の終生の地で有ることもあって俳句も盛んで、文学館にも俳句が多く展示され、公募も行っていました。自分は反対の自由律俳句側ですが(ごめんね虚子←)、真反対の芸術や文化でも素晴らしいものは素晴らしく、好き嫌いの垣根は取り外されるものです。  さて、私が来た時の文学館はもうすぐホワイトデーということで「愛の言葉」おみくじなるものを来館者にプレゼントする企画をしていました。定期的に同じ企画をやっているとは小耳に挟んでいましたが、中身の言葉は毎回違うようでなかなか人気があるみたい。芥川龍之介、太宰治、夏目漱石をはじめ12人。ちなみに私はーーー bb316f8e-2395-4beb-b3b1-1ec69ba4ea96  川端康成の「舞姫」でした! 良い言葉ですね〜。……しかし入って悔しかったのがおみくじ12種の中に泉鏡花の「天守物語」が有ったこと! しかもその文章が公募作品で引用した台詞そのまんまだったので本当に悔しかった! 欲しかった! かといってもう1回引きたい! と言える勇気は無く……来年もこの企画やるなら絶対また行って泉鏡花ゲットしてやる! 鏡花夫妻は私の推しだから!!  あ、余談、それもトホホな余談ですが芥川龍之介の愛の言葉は……「おみくじを引いた人にじゃ無くて、文ちゃんに!! 言え!!」  
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加