十七.「国宝 鳥獣戯画の全て」

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十七.「国宝 鳥獣戯画の全て」

 祝! 美術館・博物館の再開決定!  祝! 「国宝 鳥獣戯画の全て」延長!!  そんなわけで行ってきました、鳥獣戯画展ーーー!! 朝7時に起きて行きましたよ、ええ。本当はお昼の時間が良かったのですが、7日(月曜)の朝10時初っ端からインターネットがぜんぜん繋がらず1時間踏ん張りましたが、結局はセブンイレブン良い気分♪に走り、チケットが取れた時にはもう朝早いか午後遅いかの時間しかありませんでした。コンビニの方が早いってって何さ。今は無い普門館を思い出しました← 車社会の地方だったらどうするつもりだったんだorz  とはいえ、朝早くだとそれなりに良いこともあります。観終わったあとは自由時間だし、入場制限するんだからそんなには混んでない……筈…… 「………めっちゃ混んでるじゃん!?」  入って開口1番が絶句。そもそも月曜朝10時からインターネットを不通にさせる企画が混んでないわけがない! 話題だった「動く歩道で鳥獣戯画」を読む企画は大変面白く、じーっくり細かく兎や猿や蛙が遊んでいるところを見られましたが、これは人の流れが止まる止まる。お陰であとの3巻が展示されている部屋は言っちゃなんですが超密でした。でも混乱はなく、皆さん静かに並んだり、後ろから覗き込んだりして極めて平和でした。私がいた時間帯では。  さて、御目当ての鳥獣戯画。これ、1巻だけではなく、兎や蛙が人間のように遊び回る有名な「甲」、動物図鑑の色が強い「乙」、人間と動物の遊戯が交互に描かれる「丙」、人間の宮廷行事等を描く「丁」巻の4冊で成っています。知らなかった……1番出現頻度が高いのは兎と猿と蛙、狐です。好きだったのかな。レアなのは猫と鼠と鳥類。馬や鹿は絵でも動物として扱われ、犬に関してはなんと出番なしです。嫌いだったのかな。それとも人間のように対等にするのが憚られたのかな。  4巻は巻によってそれぞれ微妙に筆致が違うので複数の人間が描いた可能性が非常に高い。漫画家とそのアシスタント? みたいな……1200年代にこんなのを描いて、それを遺した高山寺と当時の日本人の感性と機知にグッジョブしたい。  動物を人間化するって発想は西洋には無いですよね。昔、アイスランド民謡を読む機会を得ましたが、幽霊や妖精は出てきても、動物が人間の優位に立ったり、騙したりする話は1つもありませんでした。西洋にとって動物は信仰や畏怖の対象ではなかったのだと思います。  前回のネズミくんでも思いましたが、物語ものは見応え抜群なので時間制限設けられると泣いちゃいます。90分内だなんて無理ゲーですよ。早くワクチンを打って皆で一丸と成ってコロナ撲滅させましょう。  そんなわけでね、やはり人間には文化や美しいものが必要なんですよ。心の栄養ってやつです。そりゃそういうものなしでがむしゃらに働いて生きた人たちがいることは否定しません理解します。昔の人とかは特にそうですよね。だからといって皆が皆、心の栄養なしで生きていけるとは限らんのです。1年経てば人間は変わるのだから20年、30年、40年、50年……と経てば人間は180°変わっているに決まっているでしょう。変化に関心を向けない、目を背けて変わるまいと抵抗する人間が必ず負けるって相場が決まっているんだ! 歴史勉強しろ。  心の栄養補給はとある階級の人間の特権だった時代は終わったのです。心の栄養補給は今や「人類の特権」なのです。
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