二〇.「植物 地球を支える仲間たち」

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二〇.「植物 地球を支える仲間たち」

 大人だって、勉強したって良いじゃないか!  ということで記念すべき20回目でやって来たのは国立科学博物館で開催されている特別展「植物 地球を支える仲間たち」展です。普段なら絶対行かないところですが招待券があったこととコロナコロナコロナ……のせいで外出の機会に飢えてるからです。Twitterではチラリと話しましたが本当は今月1泊2日で旅行に行くはずでした。今思えばやめて良かった。  本展は陸上植物を中心に展示されていて模型や写真、映像で植物の「生きている様子」を目の当たりに出来ます。特に映像を見ると「うおおおお〜本当に生きてるうううう←」と声が漏れました。実際に花を咲かすところなんて人間は見られないのでいつもいつも半信半疑でしたがその度に頭殴られる気分になります。  植物はそこから動かない、という特性をまず身につけてそこから光合成を行なったり、水中の二酸化炭素を取り込む葉と地上で光合成を行う両方の葉を育てたり、熱い日差しは無理だから地中に潜ったり、はたまた虫を食べます!とアバンギャルドな生き方を選ぶ植物も出てきたり、「植物って強か!」と思いました。よく女性を花に例える人いますがそういう人は植物と同様、女性の恐ろしさを分かってない。  そう、植物って怖いんだよ! 食虫植物もさることながら、今も昔も口に入れば殺人兵器のトリカブトは花に穴を開けて蜜だけ盗む(「盗蜜」というそうです)虫(生きる為には仕方がない)に対しては少量の毒でぶっ殺しては毒に対抗できる虫だけに訪花させるように選別しているとか。怖っ!  さらにサトイモ科のテンナンショウは臭いで雌の仏炎苞に誘い込み受粉だけさせると後は用済み!とばかりに閉じ込めて(雄の仏炎苞には穴が空いているが雌の方は空いていない)蝿はその中で死んでしまうとか。怖っ!  あとは私たちがよく食べるキャベツもからし油が平気な青虫に食べられるとキャベツがSOSの香りを出してその青虫に寄生して幼虫を育てるアオムシサムライコマユバチを呼び寄せて駆除して貰うとか。怖っ!!  どうでしょう? 植物の認識が改まったでしょうか。植物は人間や動物よりもずっと長生きです。そして環境に対する順応力は群を抜いています。私たち人間は動物のみならず植物にも敬意を払い、植物を守らないといけません。そうでもしないと日本文化を美しく彩る桔梗や薺や杜若が将来絶滅するかもしれません。そう、この3種は現在、絶滅危惧種なのです。  現在絶賛勉強中の皆様、そして大人になった皆様、脚を伸ばして博物館は如何でしょう? 地球と世界の見方がぐうん、と変わりますよ。
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