三十一.「大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語」

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三十一.「大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語」

 あけましておめでとうございます。←遅い 今年最初の「響味津々!」は毎度おなじみの上野公園から国立科学博物館の「大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語」です。最終日だったので入れなかったらどうしようと危惧しましたが平日だったおかげで入れました。オミクロンなる新しい弟コロナのせいでまた軒並み休館閉館が予想される中、お陰で館内は激混みでした。しかしそれは皆、知的好奇心を疼かせている証拠! 良いことだ! と思ってるんるんるるんぶ♪と見て回りました。開けてくれる博物館美術館には感謝しかありません。皆! 体調が良かったら少人数で博物館や美術館に行って行って行きまくって知的好奇心を疼かせて文化施設の存在意義に貢献しよう!  本展は海から6人のミイラが来日し、彼らのミイラがどのような構造になり、どのように保存され、何が埋葬されたのか……を中心に様々な物品が展示されています。ミイラにするにあたって臓器はなんと1度全部取り、それぞれの臓器を守る神様を象った壺に入れ、防腐処置を施します。……脳味噌はなんと鼻から摘出します。……考えたらちょっと「おえっ」となりました。ミイラ職人さんごめんなさい。最後から2体目の17歳ぐらいで死んでしまった男性のミイラの脳にはなんと木の棒が入ったままだったのですが、これは脳味噌を取る際に折れたと思われ、昔の人も失敗したんだなと微笑ましくなりました。  この通りミイラは冥界の神オシリスの加護のもと、復活出来ると信じられた大変神聖なものにして、大変高度な技術を要します。こんなミイラを作ることが出来たのは王族か高い地位にいた役人か神官ぐらい……だと思っていましたが子どもや家庭の女主人のミイラもありました。でも絶対に裕福だな。  これらのミイラは最新技術のCTスキャンで極力振れずとも中の様子が分かったり、骨をより詳しく調べて性別、年齢、死亡時年齢、病気等が明らかになりました。紀元前5000年からなんとはっきり悪性腫瘍や高コレストロールは存在していました。人間である限り癌からは逃れられない!? 身長はそんなに低くなく、役人と神官であるアメンイリイレト、ネスペルエンネブウ、ペンアメンネブネスウトタウイは167cmほど。しかしこんなに裕福でも! 死んだのは35〜49歳ほど! 長生き、いや死後の復活は本当に切実な願いだったのです。  さてミイラは来世に関わるものだったので様々な災厄から守ろうと沢山の護符が入れられました。護符と聞くとお守りやお札のようなペラい←ものを想像しますがそうでは無く、インテリアみたいにちょん、と戸棚の上に置くような可愛い立体的なものです。神様の像だったり、動物や昆虫だったり……写真があればお見せできたのですが撮影禁止だったので……あと女性ならアクセサリー類や楽器、香油や化粧品も一緒に入れられました。どうやら死後の世界でも神々に気に入られる為には見た目も大事だったようです。  なお、先程述べた写真撮影はこれだけ可能でした。 7548f2d1-a760-4266-abef-1a22150c652b *レプリカです。 aa45a8f7-dc58-49f0-a5a6-fb28e71d2059 *レプリカです。  やっぱり本物が見たいよな〜……  そういえば昨今の欧米では当時植民地だったアフリカ諸国にその国の文化財を返還する動きが活発になっています。英国はどうしているんだろうと調べたらなんと法律で所蔵権の放棄は出来ないのでその国の博物館建設の支援として貸し出す風になっているそうです。……えっ、そんなの有りかよ!? 本来その国の文化財なのに!? と思ったらケンブリッジ大学が当時のベナン宮廷(現ナイジェリア)から強奪したと言われているブロンズのニワトリ像を返還すると決めたとか。これを最初に提唱したのは学生団体でした。今や法律よりも民間団体の方が行動が速いのです。  当時の植民地国に美術品や文化財を返すことは欧米の歴史的償いと継承以上にアフリカにとっても正負両方の歴史を知り、次世代に継承する意義が有ると言われています。国を渡らないと自国の文化財を見られないなんてそんな馬鹿な話無いもんな……  美術館1つ行くだけでこれだけのことを知り、考えることが出来ました。父が口説く言っていましたが自分から調べたことは一生残って知識になります。これからも美術館や博物館といった文化施設が知的好奇心の扉を開かせる場所で有りますように今年も来年もずーっと足を運び続けるつもりです。 参考:https://thesouth.jp/399/
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