三十四.「上野リチ ウィーンからきたデザイン・ファンタジー展」

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三十四.「上野リチ ウィーンからきたデザイン・ファンタジー展」

「カワイイ」は世界共通語で有る。少なくとも「カワイイ」という感情は全人類が持っているし、地球上の命有る存在全てに備えられている。  今日行ったのは三菱一号館美術館で行われている「上野リチ ウィーンからきたデザイン・ファンタジー展」です。三菱一号館美術館は私にオディロン・ルドンを引き合わせた思い出ある美術館です。建物も素敵だし、行くだけで非日常。 e713efe2-615f-43be-93bc-d7690dec4cb9  上野リチことフェリーチェ・リックス(1893-1967)はウィーン工芸学校やウィーン工房を経て動植物を鮮やかな色彩や大胆な線で表現するデザイン・スタイル、"ファンタジー"を確立させました。どのテキスタイル、デザイン画にも北欧とはまた違う「カワイイ」が溢れています(上手く言えないけど北欧スタイルじゃないんだよなー……)。100年前のデザインなのに古臭くなく、家に有ったらテンション上がって楽しくなるようなものばかり。色が沢山って最高です。あと鳥が可愛くてそれが私のハートを射止めました←鳥好き。  ウィーン工房は30年間という短い間で20世紀ウィーンにおいて住宅やインテリア中心に日常に寄り添ったデザインをたくさん手掛けました。その中心的人物ヨーゼフ・ホフマン(1870〜1956)の作品も見られます。ホフマンはクリムトと同じウィーン分離派の1人です。  そのウィーン工房が縁で生涯の伴侶とある上野伊三郎(1892-1972)と出会ったことで日本の街並みや満州といった異国情緒溢れる風景も彼女にかかればウィーン風カワイイが出来上がります。七宝の箱やマッチ箱のデザインが可愛くてどれも欲しーい! 昔のマッチ箱って紙じゃないのも有ったんだ!?  併設されている「Cafe 1894」は三菱一号館美術館の展示をテーマにした料理やデザートをたびたび出しています。ということで先日の「5分シリーズ」収録を祝ってーーーしかも同じウィーン繋がり!!ーーー売った株の利益でタイアップ料理とデザートと洒落込みました。昼前だったので待たされましたが読みかけの本が有ったので全然苦になりませんでした。 ab2debe3-adcd-4f7a-9c77-ac05fc6bc88a *前菜 白いのはマスカルポーネ。 65615986-fa8a-4909-b006-e5dcb49fa20b *主菜 肉は鴨肉。 6c80578c-6e80-4fb8-a00d-9cb5913b2124 *デザート  久しぶりに腹も心も満たされました。生きてて良かったです。  ……それにしてもやはりウィーンは良いです。やっぱりウィーンが好きだなと思いました。一時英国や北欧に憧れて紀行本を買い漁りましたが、ここまで思い詰めたのはウィーンが初めてです。もうミステリーを書かないと決めましたが、ミステリーでなくても幻想小説とか純文学でウィーンと繋がりを持ちたいです。……というか住みたいです。コロナコロナコロナが撲滅して金銭的に潤ったら移住を真面目に検討したいと思います。  
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