三.亀戸天神 菊祭り

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三.亀戸天神 菊祭り

 前回以来、公募の為に1ヶ月も更新出来なかったーーーつまり、何処にも遠出出来なかったけれどなんとか一つをポストイン出来、11月になってやっと時間を取ることが出来ました。そこで藤の名所で菅原道真公を祀っている、亀戸天神にやって来ました。昔はバスの通り道で亀戸を通りましたが、今は環境が変わったのでメトロと徒歩。今日は久しぶりの快晴なので歩くだけでもはや楽しい。  亀戸天神といえば藤ですが、実は梅や菊の祭りもやっています。参拝客と、お宮参りと七五三の女の児たちが可愛くて賑やかでした。七五三って休日に行うイメージでしたが、こんなご時世だし、都合さえ合えば平日だって良いよね。普段子どもには興味が無いのですが、着物を着ているだけで目が向いてしまう。皆、可愛かったな〜。  菊祭りは規模が小さく展覧会みたいにこぢんまりとしていました。まだ開催したてと言うこともあって厚物の菊は咲いていないものも多し……でも咲いている菊はどれもとても綺麗で可愛らしかったです。菊は大振りのものから小さいものまでたくさんの種類があって花ごとに違った一面を見せてくれます。華やかさも奥ゆかしさもあってまるで着物女子の清花……わたしの作品のヒロイン源川清花のイメージ花は菊とダリアです。対する恋人の浅野舜一郎は藤です。顔が泉鏡花に瓜二つという設定ですが、彼が好きだったという紫陽花じゃありません。  参拝を終えた後はすぐそばにある「船橋屋」に足を運びました。かの文豪芥川龍之介が学校時代に体育の授業をサボってまでして食べたと言われる葛餅を食べるのが、亀戸天神に参拝するもう一つの楽しみだったんです。また吉川英治が書いたという大きな看板も見てきました。立派な字です。彼は決して大きな字を書こうとしなかったそうなので此処に残っているのが唯一なんだとか。貴重!  店内は落ち着いた和風で、外で食べることも出来ます。落ち着いて本も読めます。読んだのは芥川龍之介……ではなく、全然関係ないスタニスワフ・レム← それも精神病院を舞台にした「魔の山」のような話。ポーランド文学、というかポーランド語は訳するのが非常に難解であることに気付きました。昔、SF小説の雄「ソラリス」を初めてポーランド語から訳したのが出て話題になりましたが、きっと非常に画期的なことだったんだな……  肝心の葛餅はきな粉が惜しげもなくかけられた葛と黒蜜は大変濃厚で大変美味でした。でも長居する為とお金を崩すためとは言え、それプラス最中アイスを注文したのは食べ過ぎだったな……
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