四十八.「レオポルド美術館 エゴン・シーレ展ーーウィーンがうんだ若き天才ーー」

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四十八.「レオポルド美術館 エゴン・シーレ展ーーウィーンがうんだ若き天才ーー」

 あけましておめでとうございます🎍の空気もすっかり消えましたが2023年初の「響味津々!」です。  年末から1月の半ばにかけて物件を探したり引っ越ししたり整理したりですっかり慌ただしくなってしまい、ゆっくりものを書くなどほとんど出来ませんでした。何が嫌って、不用品回収の電話をかけたり、電気ガス水道を移行させたり、業者を探すことですよ……電話が嫌い(出来るなら取りたくない)なのでかなり苦痛でした。  まだ荷物は整理し切れていませんが引っ越ししてだいぶ落ち着いたので早速美術館! 東京都美術館でやっている「エゴン・シーレ展」に行って来ました。大学の卒業旅行でウィーンに行った時はシーレは見なかったので楽しみにしていました。  世紀末ウィーンの画家といえばグスタフ・クリムト(1862〜1918)ですがエゴン・シーレ(1890〜1918)も代表的な画家です。クリムトやウィーン美術アカデミー、ウィーン分離派の影響を受けながらも独自の表現を模索し28年という短い生涯で200点を超える肖像画を残しました。  しかしシーレの絵って暗い。第一次世界大戦中ということもあるのか絵の一枚一枚が重々しく、憂いや哀しさ、苦悩が滲み出ている……見続けると不安になるしまるで人間世界では逃れることの出来ない死と対面している気分だ……大流行したスペイン風邪で死んでしまった彼は無意識的に死の気配を嗅ぎ取ってしまったのでしょうか? d85387aa-e59f-4e58-88c7-0b7d3da8277c 67fa694e-3c35-4088-bf59-129b9fa0446a  こちらはシーレが一時期住んでいたブルダバ(モルダウ)河畔のクルマウという街を描いた風景画です。やっぱり暗いですね……クルマウの街は気に入っていたようですがモデルの女性に対する猥褻行為がスキャンダルになってしまい、出ていかなければならなくなったようです。余計切ない……  エゴン・シーレ以外にも当時一緒に行動・活躍していた芸術家の絵も飾られています。ウィーン分離派のポスターはいつぞやの上野リチ展でも見たので懐かしかったです。やっぱりウィーンは良いなぁ〜着物着て出かけてみたい〜あわよくば住みたい。ドイツ語4月から頑張るぞ! eac909e7-400f-466f-a57f-1c85217e45d5  その「行かなければならない」場所があの世だとは、彼自身思っていなかったに違いない。でも最後の言葉は叶った。何故なら私が今、この記事を書いている場所は極東の、小さな島国なのだから。
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