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「こ、これは...」
「王家の私兵を少しちょろまかしてきた。ハッハ、数こそ少ないが皇帝の直下兵だ。強いぞ。」
「ですがこんな辺境に兵を集めて一体何をするおつもりで?」
「お前は何を言っている?この前線を立て直すんだ。」
「正気ですか!?」
「勿論、その為に王家の直下兵と私の近衛兵を連れてきた。」
第2師団の参謀達がどよめく
「し、師団長...!」
「......。」
「お言葉ですが。」
「師団長、申し給え。」
「我々は元来包囲されていた身、その包囲網が解けただけで大変嬉しく思っております。しかも後続がきて、物資を得られた事で兵士は喜びに湧くでしょう。」
彼女は少し黙って尖った口調で問う
「何が言いたい?」
「撤退するべきだと思うのです。包囲から脱し、更にこの戦局を少ない戦力で敵を返り討ちにするのは不可能に近いとお...」
「愚問だ。」
彼女は会話をバッサリ切った。
「私は腐っても高級将校だ。負けるような戦場にこんな大量の兵を動員しない。」
「つまり...?」
「この盤面を打開できると踏んだからここに援軍を送ったんだ。」
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