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そして、現在・・・。
「ぐぁ~~、ぐぉ~~・・・。」
少女は真っ昼間から、我が家の縁側で豪快ないびきをしながらお昼寝をしていた。
「はぁ・・・、この子ったら、またろくに仕事もしないで昼間からゴロゴロして・・。」
そして、その様子を彼女の実の姉である竜胆昌美は呆れた様子で見つめていた。
「涼香~!いい加減に起きなさい~い!!」
昌美の怒鳴り声を聞いた少女は、ようやく目を覚ました。
「う~ん、・・・・あぁ・・、おはよう、昌美姉ちゃん・・。」
「“おはよう”じゃないでしょ!あんたはまた、昼間から仕事もせずにゴロゴロして~。」
「ふぁ~あ!!よく寝た~!!」
この呑気にあくびをしている少女こそ、この物語の主人公、竜胆涼香17歳である。
「毎日毎日、よくもまぁ、そう呑気でいられるわね~!!」
そして、そんな彼女を叱責しているのが彼女の姉、竜胆昌美19歳。
「へへへ・・、だってここ最近大きな依頼も来ないし、とってもいいお天気だったんだもん!つい、睡魔に負けちゃって・・・。」
「あのね~、依頼が来ないってことは仕事が入ってこないってことなのよ!それはつまり収入がないって事なの!分かる!?」
「もぉ~、そんなに怒らなくてもいいじゃん!」
「怒りたくもなるわよ、あんたみたいなのが妹じゃ・・・。」
昌美は頭を抱えた。
一方、涼香は自分が怒られているにも関わらず、まるで反省の色を見せない。
昌美は涼香のそんな様子を見て、深いため息をついた。
世は江戸時代。
戦乱の時代が終わり、徳川家が全国を統一したのち、人々はようやく平和な生活を送れるようになった。
伊賀の忍びはかつて戦国の時代、優秀な功績を残し徳川家に貢献し、徳川家康を全国統一へと導いた。
そして、そんな時代が終わりを告げた今、彼らはそれぞれにかつて忍びであったときの能力を活かし、様々な職業に就きながら平和に生活を送っていた。
その一方で、優秀な忍びたちは徳川家の諜報員として働きながら、一般の住民に紛れて生活している者もいる。
ここはかつての伊賀の忍びの里のあった場所。
そして、かつての伊賀の忍びの頭領でもあり、この物語の主人公竜胆涼香の実の父こと、竜胆伊賀丸が代表取締役を務める万屋、「ぴゅんぴゅん丸」が建設された。
しかし、近年の業績は悪化し、ぴゅんぴゅん丸は倒産の危機に直面していた。
その理由と言うのも、彼女が原因なのだが。
「万屋の仕事がないと私たち生活できなくなっちゃうんだからね!今月もまた赤字よ!」
「そんな事言ったって、この前玄汰さんがうちの万屋を辞めてから、従業員が完全にゼロになっちゃったじゃない。私と昌美姉ちゃんと父さんしかいないのにどうやって依頼を受けろって言うのよ~。」
けろっとした様子の涼香を昌美が本気で怒った。
「だ~か~ら~!!真っ昼間から昼寝ばっかりしてないで、さっさと従業員の募集でも呼びかけて来いって言ってるのよ!!」
さずがの涼香も少し驚いた様子を見せた。
「いいこと!?うちの万屋に全然従業員がいないのは、涼香!全部あんたのせいなんだからね!!」
「昌美姉ちゃん!それは言わない約束でしょ~・・。」
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