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第五話 「涼香、絶体絶命のピンチ!」
「菖蒲〜!!あんた、また庭掃除サボったわね〜!」
「けっ!何のことだか。」
「しらばっくれるんじゃないわよ!この前のお風呂掃除も、さらにその前の洗濯も全部サボったじゃない!居候のくせになんて図々しいの!!」
菖蒲がピュンピュン丸に所属してから、早一か月が過ぎた。
菖蒲は住むところがない為、涼香の家で居候している。
その代わり、竜胆家の家事を手伝うという約束なのだが、どうやら全く手伝っていない様子である。
万屋は相変わらず依頼は来ず、閑古鳥状態であった。
「恩を仇で返されたわ!あんたなんか住まわせるんじゃなかった!」
「ふん、大体あたいがここに来てからというもの!ここ一か月全く依頼が来ないじゃないか!一体この万屋はどうなってんだよ!?」
「だから、困ってるんじゃないのよ!そうじゃなかったらあんたなんかスカウトしなかったわよ!」
「この贋作のスペシャリスト山吹菖蒲様を侮辱する気か~!?」
「何が“贋作のスペシャリスト”よ!ただのぼったくり詐欺師じゃない!!」
「なんだと~!?」
「いい加減にしなさ~い!!」
「昌美姉ちゃん・・・。」
二人の喧嘩を見かねた昌美が止めに入る。
「あんたたちはまた喧嘩して!喧嘩してる暇があったら依頼の一件でも取って来なさいよ!」
「だってよ~、こうまともに依頼が来ないんじゃどうし「依頼します!」
菖蒲が言い終わる前に、幼い少女の声が聞こえた。
三人が視線を足元に落とすと・・・。
幼い少女が三人の前に立っていた。
「ここは万屋ですよね!私、この万屋に依頼したいです!!」
三人は茫然と顔を見合わせた。
「依頼、来たじゃない・・。」
涼香が呟いた。
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