第五話 「涼香、絶体絶命のピンチ!」

1/6
前へ
/54ページ
次へ

第五話 「涼香、絶体絶命のピンチ!」

「菖蒲〜!!あんた、また庭掃除サボったわね〜!」 「けっ!何のことだか。」 「しらばっくれるんじゃないわよ!この前のお風呂掃除も、さらにその前の洗濯も全部サボったじゃない!居候のくせになんて図々しいの!!」 菖蒲がピュンピュン丸に所属してから、早一か月が過ぎた。 菖蒲は住むところがない為、涼香の家で居候している。 その代わり、竜胆家の家事を手伝うという約束なのだが、どうやら全く手伝っていない様子である。 万屋は相変わらず依頼は来ず、閑古鳥状態であった。 「恩を仇で返されたわ!あんたなんか住まわせるんじゃなかった!」 「ふん、大体あたいがここに来てからというもの!ここ一か月全く依頼が来ないじゃないか!一体この万屋はどうなってんだよ!?」 「だから、困ってるんじゃないのよ!そうじゃなかったらあんたなんかスカウトしなかったわよ!」 「この贋作のスペシャリスト山吹菖蒲様を侮辱する気か~!?」 「何が“贋作のスペシャリスト”よ!ただのぼったくり詐欺師じゃない!!」 「なんだと~!?」 「いい加減にしなさ~い!!」 「昌美姉ちゃん・・・。」 二人の喧嘩を見かねた昌美が止めに入る。 「あんたたちはまた喧嘩して!喧嘩してる暇があったら依頼の一件でも取って来なさいよ!」 「だってよ~、こうまともに依頼が来ないんじゃどうし「依頼します!」 菖蒲が言い終わる前に、幼い少女の声が聞こえた。 三人が視線を足元に落とすと・・・。 幼い少女が三人の前に立っていた。 「ここは万屋ですよね!私、この万屋に依頼したいです!!」 三人は茫然と顔を見合わせた。 「依頼、来たじゃない・・。」 涼香が呟いた。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加