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「こんなに喜んでもらえるなんて、とっても嬉しい♪評判なんだよ、うちのお兄ちゃんの焼いたお煎餅!」
「へっ!!」
「煎餅だと・・?」
「・・マジ・・?」
少女の発言に涼香と菖蒲と助六は完全に言葉を失ってしまった。
「日和ちゃんのお兄さんってね、煎餅屋さんをやっていて、そのお兄さんがちょっと一風変わったお煎餅を作ってみたくて作ったのが、小判の形をしたその、“小判型煎餅”なんですって。」
昌美は苦笑しながら言った。
「うちのお兄ちゃんの“小判型煎餅”おいしいって街でも評判なんだよ!ミミを助けてくれたお礼にいくらでも焼いて貰うよ!」
少女は屈託のない笑顔で言った。
一方、菖蒲と助六はショックのあまり、固まっている。
涼香は小判型煎餅を一口かじった。
「・・・おいしい・・。」
「まあ、無事に仔猫も見つかったんだし、良かったじゃない!」
昌美の一言で今回の一件は終了した。
「普通、最初から気づくだろう。」
そんな、涼香たちの様子を伊吹は呆れた様子で見ていた。
そして次の日。
「はぁ~あ。またタダ働きしちまったぜ。」
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