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失って初めて、私という人間を形成していた重要なパーツがオタ活だということに気づかされた。
それに私は永井さんの気を引くために自分を偽ろうとしていたんだ。
当の本人は自分の大切な人に堂々と自分の趣味を明かしていたのに……
「あの……大野さん、私も是非イベントに御一緒したいです」
私はそれから、もう一度オタ活を始めることにした。
もう打算的に物事を考えるのは止めよう。
断捨離をしてみて、一見、無駄に思える物も私にとっては必要な物だったと分かった。
片っ端からグッズを買うことは改め、本当に気に入った物は躊躇わずに買う。
それが私に合った片付けの形だったのかもしれない。
断捨離後に唯一、手元に残った推しキャラのアクリルキーホルダーが付いたチケットホルダーのネックストラップを首にかけ、私は大野さんの待つイベント会場に向かった。
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