ROLE PLAYING・怪獣ごっこ

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ROLE PLAYING・怪獣ごっこ

次の回から毎週、彼に会うべくテレビを見た。 金曜日が待ち遠しくてたまらない。 私はこうして、いつの間にか週や曜日を覚えていた。 架空のヒーローであると知りつつも、彼が戦う時は一生懸命に応援した。 子どもは作られた物語を見ているうちに、正義や悪の概念を知る。 私たちは架空のヒーローの振る舞いから、「いじめや暴力を許してはいけない」と読み取っていたのだ。 当時の男の子は友達と、「ごっこ遊び」をするのが当たり前だった。 全員が同時にヒーローをやるわけにはいかない。 交代で怪獣になった。 ごっこ遊びも「ロールプレイング」の一種らしいが、私たちは意図的に役割分担をしたのではない。 大好きなになりたくて、子どもたちの間で自然と生じたゆずり合いだ。 遊んでいるとたまに、なかなか倒されない怪獣が登場することもある。 敵役とはいえ、「負けたくない」と、頑張ってしまう子がいた。 自分が怪獣を演じる順番を逃れようとしたり、熱狂して遊びであることを忘れたりといった、相手や仲間のことを考えない子は非難を浴びる。 ヒーローの影響を受けたのは、私だけではないはずだ。 子どもたちは遊びを通して団体行動を知り、コミュニケーション能力を育んでいたのかもしれない。
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