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ワン・ツー・スリーエン・ファイ
ファイッシックスセーブン・エイ
うーん、できないな。
速いし、動き細かい…
そして…練習時間が足らない。
入り口のある一辺を除いて、鏡張りの広い部屋には、小学生から成人した位の歳の男がざっと30人。綺麗に6列に並んでいた。
程好く空間があるものの、後ろの方は前の鏡など見えないだろう。
一番前には、振付師。
「4列目右から2番目、5列目左1番目と変わって。はいっもう一回行くわよ」
そう、ここは、
きらびやかな世界で生きる
アイドルを育成し、売り出す事務所。
スタニッシュライド事務所。
周りはデビューを争うライバル
やる気がない、出来ない、
そんなものは不要な世界。
厳しいなぁ、相変わらず。
レッスン以外の時はいい人なんだけど…
オカマだけど。
「ストップッ出来てない
琉生、一回やって見せて
みんな、見て。」
艶のある黒を纏った青年がすっと立ち、音が流れ出すとまるでそこだけがステージかのように煌めきだす。
すたっと最後の立ち姿を決めると
わっと周りのレッスン生から、声が上がる。
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