僕らは…

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流れるようにしなやかで 惑わされるような色気を纏い、 鍛えているのだろう体で力強く踊り 意思の強いその目は周りを 虜にして離さない。 「さすが、素敵だったわ。  今日のレッスンはここまで。  琉生のようにいつ何度機でも  人を惹き付ける存在でありなさい。  お疲れ様。」 ありがとうございました。と周りで頭を下げながら振付師を見送る中で 「やっぱり違うな。琉生さんは。」 そんな声が部屋全体から聞こえてくる。 「デビュー間近ってホントなのかよ」  「俺が知るかよ」 「本人にそんなやる気ないってホントか?」 「あれだけ出来てか?まさか。」  「グループ活動はちょっとって感じなんじゃないの」 あれが…紫藤 琉生(シドウ リュウセイ) 同じ歳とは思えないなぁ。 このスタニッシュライド事務所にいる天才。レッスン生ならみんなが知っている存在。 入所は小学3年生。 現在、有名国立大学経済学部1年。 今年19歳。天才完璧超人。 圧倒的存在感と役の幅の広さ、 何をやらせても完璧な男。 子役でデビューし、現在もドラマに出ている。 CDデビューをする事で、デビューしたと認められるこの事務所でまだデビューしたとは言わないが、もう芸能界で仕事をしている芸能人だ。 初めて見たなぁ 「わぁーっ今日から上がってきた子? はじめまして」 「颯太、年上には敬語。 お前のほうがクラス歴長くても。 颯太が謙虚さを忘れたら、お兄さん悲しいよ。」 茶髪のすらっとした元気癒やし系男子とちょっと年上に観える黒髪眼鏡男子が現れた。
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