僕らは…

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不機嫌そうに僕の事を見てる。 やっぱり整ってるなぁ。 男でも惚れぼれする顔だ。 「この子は今日からクラス上がってきた真鍋 樹くん。琉生と同じ歳で大学も学科も同じだって。知らない?」 「知らねぇから聞いてる。」 といった瞬間には興味を失ったのか別の方に顔を向けていた。 大和は思い出したように、「これであの問題も解決じゃん。」と突然話し出した。 「あの問題?」 僕が聞き返すと琉生もはっとしたように「無理。」と一言いった。 大和は真面目な顔で話し出した。 「琉生、仕事で最近大学行けてなくて。結構、大変そうだから俺がたまに授業聞いてノートとってやってるの。 でも、同じ大学で同じ学科なら教えて貰えないかなって。ノートとかもちょっと見せて貰ったりさ。」 「なっ」と心配そうにしながら 琉生の顔を見るが 琉生は不機嫌そうに顔をそむけながら言った。 「別に大変じゃないし。 ついていけてないわけじゃないって言ってんだろ…ほっとけ。」 大和さんがそんな事までやってるんだから悪い人じゃないんだろうけど…学業もしっかりしたいなら調節して働けないのかな。 何か理由があるのか…など僕が考えていると大和さんに声を掛けられてふっと現実に戻ってきた。 「どう?お願い出来ない? 琉生もお願いしろっ」 大和が琉生の肩を掴んで諭す。 「別にいいって。しかも、こいつが教えてられるほど出来るかわからないだろ。」 うーん、なんだろ………。 この人とはもっと話してみたい。 僕は何故かその時、 そう思ってしまったのだ。 「いいですよ。 ノート見せて少し教えるくらいなら…」「ほんとっ?」 大和が食い気味に突っ込んでくる。 「だから、いいって」と琉生は言ってるが、大和がもうノートとってやらないからな。と言うと黙り出した。 そして「わかった。頼むわ。」と静かに言った。
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