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「これ、受け取って下さい」
「……？」
テーブルの上に小さい四角い箱
その箱を開けると
赤いベルベットの布を纏ったケース
私は恐る恐るそのケースをあけた
「えっ？」
私はその日はじめて声を出した
指輪…
「桃？産まれた時から一緒だよね？
気づかないはずないでしょ？桜ちゃん」
「そんな事言って桜が来たら桜に言った
んじゃないの？」
「指輪…見てごらん？
R to M 桜はSでしょ？」
「……」
「その指輪の意味わかるよねぇ？」
「えっ？」
「桃…結婚してください」
「………」
「ごめんね、不安な思いさせて
あんな事させて
もう不安にさせない
一緒にお店やろう！」
「えっ？一緒に？」
「俺の夢って桃とお店やる事
いつも何も言わなかった桃がこういう
お店やりたいって…
あの時ここで言ったよね？
その時から俺、勉強した」
「だからあの学部？」
「そう、接客のプロになる
そして働きながらソムリエの資格取った
ごめんねなかなか会えなくて
桃の作った料理を最高に引き立てる
ワインと接客…それが俺のやりたい事」
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