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彼は、中学の時の同級生だ。同じクラスになったことはなかったけど、ちゃんと覚えてる。
彼との関係はただそれだけで、今もただたまたま会っただけ。同じ中学ということは家が近いってことで、特に気にすることでもないはずなんだけど……。
それからは、いつも通りに今日一日の楽しかったこと、嬉しかったこと、悲しかったこと、嫌だったことを言葉にしていく。
それからは帰りが遅くなることもなく、それまで通りの生活を続けていた。
その男子のことも忘れてきていた頃。
「……すみません。」
「えっ?」
例の公園の前で、若い男性に声をかけられた。
なにかと思い振り向くと、そこにいたのはこの前の彼だった。
「急に声をかけてすみません。俺のこと、覚えてますか?」
「もちろん。中学の同級生だったよね?」
「そう。この前会ってからも俺たまに公園に来てて、それで家から空を見上げてるとこ見えたんだけど……」
「え、私の?」
何それ恥ずかしすぎる。
確かに私はいつもベランダから空を見上げていて、そのベランダは公園のあるほうに作られているけど。
まさか見られてただなんて。
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