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「もし俺の勘違いじゃなければ、星を見るのが好きだったりするのかなって。俺、昔から星が好きで、よかったらたまにでいいから一緒に見ない?」
それを聞いて思い出す。
ああ、そういえばこの人はこんな人だったと。
同じクラスになったことがあるわけでもないのに、彼のことを知っていたのは、彼が少し浮いたところのある男子だったから。
私は中学のときには星空を見るのが好きとか恥ずかしくて隠してたから周りにとやかく言われることもなかったけど、彼は自分が人とは少し違うことを自覚していながらそれを隠そうともしなかったのだ。
でも、まさか彼も星空を見るのが好きだったとは。
全く知らなかった。
とはいえ、ろくに話したこともない男子と一緒に星を見るなんて。
……会話なさそう。
「えっと、確かに星を見るのは好きだけど一緒に見るのは……。」
「やっぱりだめかな。ほんとたまにでいいんだけど。ただ隣にいるだけ。誰かと一緒のほうが楽しいかなって思っただけなんだよ。無理強いはしない。」
「一緒に見てどうするの。」
「……え?」
私がそう言うと、彼はびっくりした様子で訊き返してきた。
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