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私はいつも星空に向かって語り掛けるとき、声に出してしゃべってるわけではないから隣に誰かがいても気にならないと思ったけど、ずっと見るのは一人だったから、隣に誰かがいることが最初はすごく気になって、集中できなかった。
「一緒に見ようって言ってくれた時、隣にいると安心するって言ってたよね。今までに誰かと見たことがあるの?」
一緒に見始めて一週間ぐらいしたころ、私は彼に訊いてみた。
私はいつもと違う感じで、戸惑ってるのに、彼は平気そうだったから。
「小さいころはね。親が付き合ってくれたよ。俺が興味を示したものに、いろいろ。今はもうさすがに付き合ってくれないけど。」
「……そっか。」
親か。
「親が付き合ってくれなくなってからはずっと一人だったからさ、今隣にいてくれてすごくうれしいんだよ。ありがとう。」
そう素直に感謝されると、むずがゆい気持ちになる。
「……どういたしまして。」
それまでは、私がしゃべらずにいたい、と言っていたけど、それからは彼にも少し興味が出て、会うたびに少しだけ話すようになった。
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