星空を見上げて

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 彼と会う日は、いつも通り星空にその日の話を聞いてもらったあと、私から彼に話しかける。  日によって私が星空に聞いてほしいことの量がばらばらで、時間も長かったり短かったりするから、いつも私から話しかけることになるのだ。  はじめは共通の話題、中学の時のこと。  それから、星を見るのが好きになったきっかけや中学を卒業してからのことなどを話して、それからは自分の日常をお互いに話すようになった。  そんな彼と話す時間が、思っていたより癒しになっていると気づいたのは、一緒に星を見るようになって、隣で何気ない話をするようになってたった二か月後のことだった。 「なんか最近楽しそうだよね。」 「え?そう?」  友達に言われて、楽しいこと、を思い返す。 「そんなことないでしょ。特に楽しいこととかないけど。」 「うそ。なんか変わったよ。」 「変わった?」  そうして思い浮かぶのは、彼と一緒に星を見ることだった。 「……あー、一個あったかもね。楽しいこと」 「え!何!?」 「内緒ー。」  なんだかあの時間のことは、二人だけの秘密にしておきたかった。
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