21人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
注がれる愛。
「ねぇ、ヒロ。ちょっと、ちょうだい」
缶ビールを持つヒロキに、トモヤは笑顔を向けた。
「お前、飲めねぇだろ」
「ちょっとだけ」
「すぐ真っ赤になるくせに」
「だから、ひと口だけだってばー」
トモヤはヒロキの腕を掴み、だだをこねる子供のように揺さ振った。
「あっ、ちょっ、……あぶねっ! 調子ん乗るから、だぁーめっ! お前のゲロ、誰が片付けると思ってんの?」
ヒロキはビールを反対の手に持ち替え、トモヤから避難させた。
「おれ、そんなにゲロったことないし……」
口を尖らせ、トモヤは拗ねた子供のように顔を背けた。
最初のコメントを投稿しよう!