注がれる愛。

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注がれる愛。

「ねぇ、ヒロ。ちょっと、ちょうだい」    缶ビールを持つヒロキに、トモヤは笑顔を向けた。 「お前、飲めねぇだろ」 「ちょっとだけ」 「すぐ真っ赤になるくせに」 「だから、ひと口だけだってばー」  トモヤはヒロキの腕を(つか)み、だだをこねる子供のように揺さ振った。 「あっ、ちょっ、……あぶねっ! 調子ん乗るから、だぁーめっ! お前のゲロ、誰が片付けると思ってんの?」  ヒロキはビールを反対の手に持ち替え、トモヤから避難させた。 「おれ、そんなにゲロったことないし……」  口を(とが)らせ、トモヤは()ねた子供のように顔を背けた。
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