1.その想いが、嬉しくて。

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「なん? 嬉しそうな顔して」 「んー? 別に……」  トモヤは靴を脱ぎながら、真っ平らな声で返した。  顔を隠すように(うつむ)き、近付いてくる……。 「どした? なんかあっ――! うわっ! ばっ! ちょっ……! 冷てっ!」  俺の横っ腹に、ビニール袋が押し付けられた。 「冷たくて、気持ちいいでしょー」 「いや、冷たいにも限度があんだろ……」  いたずらっ子のような笑顔を見ながら、そういうことか……、と一人納得した。
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