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第2話
僕は今、ミユキちゃんと金魚すくいを堪能している。水槽を注視しながらお目当ての金魚を見つけて救おうとするが
「あ~、また破れちゃった。あの黒い出目金が欲しいのに」
これで5回目だ。横には無残にも濡れて破れたすくいが置かれていた。僕が後ろで眺めていると
「ねえ、歩君。あの出目金取って? 」
「う、うんいいよ。おじさん1つお願いします」
「はいよ」
僕は目標を定めると集中して一気に、奴を角に追い込んですくった。
「すごい。ありがとう」
「うん、まあこう言うことは得意なんだ」
彼女は笑顔で僕にお礼を言っておじさんから目を輝かせて袋に入れてもらった出目金を受け取った。だがこの時僕は、ミユキちゃんの首筋付近に目立ったアザに視線が行ってしまい、どうしても心の底から喜ぶことが出来なかった。
キーンコーンカーンコーン
休み時間になるとクラスの女子生徒がミユキちゃんの周りに集まって楽しく会話をしていた。昔の旧友とその友人たちに囲まれて心底幸せ者だ。こんな僕は過去の人。今更、話に行けないし、自信がない。
僕は目立たないように机にうつ伏せになって寝たふりをして聞き耳を立てた。どうやらご両親が交通事故で亡くなってしまい、祖父母が暮らすこの街に戻ってきたそうだ。なんか切ない気持ちになりながら吐息で眼鏡を曇らせながら聞いていると
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