星、始めることになりました

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みなさんは「転生」するとしたら何を思い浮かべますか? 勇者?魔法使い?魔王?それともチート能力を持った一般人? 何にしても新しい人生を考えるのではないでしょうか? そういう私も転生を経験することになったのです!! そう、転生したのは「惑星」。 いゃ~、参りました。 目を覚ましたら何も見えないんです。それは目が無いのだからしょうがないですよね。 でも、慣れてくると見えてきました。 正確には感じられるようになってきたのですが、私の少し離れた周りには数えきれない程の輝きが点在していたのです。 全方位プラネタリウムってのは人の身体では体感できない感覚で、360度、さらに上から下まで同時に見えるんです。 この中に浮かぶように存在する自分は、幻想的で、孤立感たっぷりで…まぁ経験できないような素晴らしい体験ができたんです。 最初は 活気溢れる炎の塊だった私ですが、徐々に熱は冷め、炎は消え、表面には水の膜のようなものが出てきたのです。 ちょっとピリッとはしてましたが、それも落ち着いてきました。表面のさらに外側には、気体でできたやわらかい(ような)膜もできて表面が安定してきました。 お陰でこれまでぶつかってきた小石も直接当たりづらくなり静かな時間が過ごせるようになりました。 その内、表面が賑やかになってきました。 最初は微かに感じる程度でしたがドンドンわかるようになってきたんです。 これまで孤独だったので騒がしいことは嬉しいです。 多少の事があっても全然大丈夫です。 私が壊れることはありません。 ただし、私は目が見えない代わりに感じることで見ているんです。 騒がしさが大きくなると「悲しみ」の感情が大きく見える事があります。 昔、人であった私にとってはとても辛く、感情は生物の大きさに影響されないので感じられた回数分、感じてしまいます。 「何かのキッカケで私の言葉を知ることとなったあなた。『悲しみ』よりも『楽しさ』で私に(にぎ)やかさを届けて下さいね♪」
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