1話 ゲームスタート

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1話 ゲームスタート

 時は2500年。  今の技術は仮想の世界を誕生させるまで進歩した、魂を仮想世界に移動させれるまで。  最初の原点となるものが開発された時は2030年。  VRMMOという仮想に意識をダイブさせ、オンラインゲームを、仮想の体、仮想の場所でする、そんなものが流行っていた。つまりVRMMOというのは、近未来のバーチャルリアリティ空間で実行されるネットゲーム(大規模オンラインゲーム)ということ。そのゲームは桐原卓也(きりはらたくや)が開発し、最初は普通に売られていたもの……だったが、命の危険性が非常に高いことで2040年には、医療で使う以外は、医者の許可など特別な許可がないとできなくなった。  まあそんな前の話を今知っている人は本を読んでいる人くらいだろう。  俺も本を読むほうだが、ネットで読むけど本当に1冊か2冊に書かれている程度なんだよな、なんてひどい世界だ……  ある日そのオンラインゲームでは様々な事件が起きた。  それは、ゲーム内で死ぬと現実の体も死ぬ事件、最新の機械を盗み、戦争を起こそうとした事件、仮想世界に実際にAIを作り育て、ミサイルに導入し、街を崩壊させた事件など。  大体は2035年に起こった事件だらけ。  つい最近2430年まではそういた事件が立て続けに起こっていたが、2431年頃からは、事件の起こる数が極端に減った。そこのは理由があった。  2430年に取り締まりが厳しくなった。  もともとVRMMOでの事件は取り締まっていたが、捕まってしまっても懲役20年。人を殺してしまっているのに20年。  その甘さがあったせいで事件は多発。  犯罪者は全員、「捕まっても問題ない」、その言葉を言いながら動いていた。  けれど今は違う。現実の人を殺してしまった事件というものは死刑。  ログアウトというゲームから現実世界に戻る方法をなくし、仮想世界に閉じ込め監禁、その時点で犯罪行為とみなし死刑。  結局これは意味ないと俺は思う。  どうやって閉じ込めていると知るんだ?  現実の人を殺してもばれないことだってある、普通に殺人するより断然情報量が少ないはずなのに。  今までに1人、物凄い犯罪をしたやつがいる。そいつの名前は託(たく)。名前をそれしか名乗らない。今の世界は魂までもが仮想世界に移動させれる時代だが、その犯罪をしたゲームは魂を移動させていない、ただのゲーム。それは2500年、今だ。自分の体、意識でRPGゲームをする。攻略系ゲームの事件。よくある事件なのだがこれは違った。この世界、VRMMOの世界と現実の世界を壊す。そう言っていた。そこが違うところだ。  その事件は俺も巻き込まれている事件。 「さぁ、ゲームの始まりだ」  * ≪2500年3月2日≫ 「今日は俺の誕生日でもあり新しいオンラインゲームのクエストソードオンライン通称KSO。そのKSOの早期購入特典のクエストソードオンラインで魔法が使えるようになるコンテンツ!魔法が使いたいがために並びに並んで買ったぞー!!」  俺の名前は鐸木 佐久(すずき さくや)、東京都在住の高校1年生。高校生の青春を味わっている。ゲームオタクって程ではない。テストの点は学年5位にはなっている。  俺は帰って勉強はせず、時間があればとりあえずゲームがしたくなるような奴だ。  このKSOの早期購入特典は、1つの店に100名様限定。ギリギリのところで手に入れることができた。  ベットに飛び込んで説明書を見る。 「VRMMOか!!今日は土曜日。勉強は明日でもいい!!今の時間は……午前8時!!よっしゃー!!やろう!!」 ≪説明書≫  フルダイブ型VRMMORPG。ログインする場合は『ダイブ』と言うとヴァジスにあるマイクが反応しゲームが起動します。  このゲーム、KSOは主に剣を使い、クエストをクリアしていくゲームです。  クエストは全部で1000クエスト。そのクエストが表示されている場所は案内所ですが、案内所にすべてのクエストが表示されているわけではありません!KSOには階層が存在しており、1階層の案内所に付き20クエスト。階層はすべてで50階層あり、この世界の名は【ジルクリーク】。次の階層へ向かうにはその階層のクエストをすべてクリアすると案内所に次の階層へのエレベーターが現れます。  大体は1人でするようなゲームですが、仲の良い友達と一緒にしたい、早くクリアをしたい、そんな人はパーティーを組んではどうでしょうか。パーティーを組むとクエストのクリアを共有、つまり誰か自分のパーティーで、クエストをクリアした人がいるとパーティー全員クリア。クエストには複数人で挑んでも良いというものもあります。 【ただしパーティーに組んでいる人とのみクエストに挑みましょう】  他の人がクエストをクリアしてもパーティーメンバーでなければクエストは表示されて未クリアとなりますのでご注意を。  全クエストをクリアした方には幻の剣【グランソード】を差し上げます!  それでは仮想世界、ジルクリークへ行ってらっしゃい!!! 「へぇーすごいな……ジルクリーク……特に幻のアイテム、グランソードが気になる……」  俺はヘルメットのような機械を付けた。機械の名前は【ヴァジス】。機械の電源を入れ、目を閉じ、「ダイブ」と言うとゲームが起動した。何かの空間を俺の意識が移動していく。すると目の前に文字が表示された。 ≪クエストソード・オンラインにようこそ≫ ≪まずキャラクターネームを。≫ ≪_____≫  キーボード入力が表示された。  す……すげ~……どうしよう。こういうものは大体自分の名前は使わない。でもいい名前にしようとしたら中二病と思われそうだな……それじゃあ【さくや】の【や】を【と】に変えておこう。 ≪サクト≫  俺はキーボードでそう打つ。するとキーボード入力は消えてまた文字が表示された。 ≪ペンネームの設定完了。次に性別をお願いします。≫ ≪男/女≫  それぞれの男、女と書かれたボタンが表示される。  そりゃあ自分の性別と一緒だろ。  俺は迷わず男のボタンを押す。 ≪男≫ ≪性別の設定完了。次に種族か職業の設定をお願いします。≫ ≪エルフ、亜人、魔人、騎士、商人、村人、剣士、ハーフモンスター ______≫  それぞれの種族のボタンが表示されるが、右端は下線がされてあり謎の白いボタンがある。1回押してみたが何も起こらない。  バグか?それより、騎士と剣士は種族じゃないような気がするんだが……あとハーフモンスターってなんだ?まあいいや。うーん、どうしよう。剣と魔法を同時に使えたら強そうだな。騎士になったらいろんなギルドとかに入りそうだし。  ギルドというのは複数人が一緒に組むこと。  俺は自由に少人数でクエストしたいからな~。まあ正直1人でもいいんだけど……よし。 ≪剣士≫  剣士のボタンを押した後一息つき、また設定を行う。 ≪種族か職業の設定完了。最後にステータスの配分と自分の能力の確認をお願いします。≫ ≪能力 ・スキル ・魔法≫  スキルと早期購入特典の魔法か。大体の剣士の初期設定はそんなもんだろう。ステータスの配分はもともと100ポイント持っていて、それを自分の好きなように分ける。とりあえずやってみるか。  体力(ヒットポイント)、20  攻撃力(アタック)、20  防御力(ディフェンス)、10  素早力(スピード)、20  魔力(マリョク)、20  =体力(ヒットポイント)、 2000HP  攻撃力(アタック)、400ATK  防御力(ディフェンス)、200DFS  素早力(スピード)、400SPD  魔力(マリョク)、400MR  最初はあんまりディフェンスは高くなくていい。それ以外は大体一緒のほうが戦いやすいからな。ポイントはモンスターを倒していく中でもらえるものだから最初はこんなもんだろう。  配分し終わるとすべて終わったのか目の前にロード中という文字が表示された。数分待つとロードのゲージがマックスになり、文字が消え、また違う文字が表示される。 ≪設定は完了しました。メニュー画面の開き方は目の前を指で下から上にあげたら出てきます。ここから始まるのは仮想世界、VRMMOの世界です。楽しんでクリアへと目指してください≫  よし……これから始まる。俺はここの世界で『英雄』のような存在になりたいな~。  そう思っていると、目の前が光出し、そのまぶしさあまり、目を閉じてしまった。  少し時間が経つとそのまぶしさはなくなり、目を開けるとそこはレンガ畳の中心広場。噴水が真ん中にあり、奥には商店街があり、商店街に人がたくさんいる。すると目の前にここの町の名前と広場の名前が表示された。 ≪始まりの町 ジャイル クイール中心広場≫  本当にすごいな……これが仮想世界。俺が前までして言ったゲームも仮想世界だったけれどグラフィックが物凄く良い……日差しが良くて風も気持ちいい。本当に仮想世界なのか……さて……とりあえず。  俺はアイテムストレージを開いた。アイテムストレージというのは今何のアイテムを持っているのかを確認したり、オブジェクト化することができる機能のことを言う。  今持っているのが……『アインソード』、まあ普通に鉄の剣って意味らしい。この剣は最初に持っている武器。速く経験値を稼ぎたいという人はこれでモンスターを狩っている。  次に『Cane of magic』と書かれたアイテム。まだ試作品と説明では書かれていた。これは魔法を使う時の杖。1日に1回配られる金貨があり、今日で10枚。このゲームの金貨の価値は1枚100円。 「なかなかもらえるんだな。HP(ヒットポイント)バーはあるのかな……」  俺は人差し指を右に振る。これはメインメニュー表示用のモーション、動きだ。上から【ユーザー】、【アイテムストレージ】、【独自スキル】、【時計】、【マップ】、【説明書】、【お知らせ】、【メール】、【運営への緊急メール】、【ログアウト】の10個。 【ユーザー】というのは自分がどの種族なのか、HP、ATK、DFS、SPD、MRが表示されていたり、今、装備は何をしているのかの確認も可能。アイテムストレージを開かなくてもそこで瞬時に変えることができる。戦っている最中はこれを使うことが当たり前になってくる機能だ。 【アイテムストレージ】はそれぞれのアイテムの細かく説明を見ることができる。モンスターがドロップしたアイテムが自動的に回収されこのアイテムストレージへと移動する。 【独自スキル】はある特定のことをすると発現するスキルのこと。種類は全部で100種類あるらしい。 【時計】は現実世界の時間を教えてくれて、時間以外にも日にちやそれぞれのエリアの温度や湿度も表示される。 【マップ】は1度来たことのある場所を地図として表示することができる昨日のことを言う。 【説明書】は仮想世界にダイブする前に見た説明書。 【お知らせ】はメンテナンス等を見るために使う。緊急メンテナンスの知らせの場合は音が鳴る仕組み。 【メール】はフレンド登録をした人にメッセージを送れるようにする機能。 【運営への緊急メール】はバグ報告や運営に質問をするときに使うメール機能。 【ログアウト】はゲームを終了するときに使う機能。  俺はユーザーの部分を押し、HPバーを見る。HPバーは設定をすると常時見ることができるようになる。それをするために確認をしたのだ。俺はHPバーあ表示されているところの近くにある設定ボタンを押して常時見れるように設定をした。 「これでいいかな」  人差し指を左に振る。メインメニュー非表示用のモーション。そしてちゃんと常時表示されているのか確認を始めた。あった場所は右上で、視界の邪魔にならないように拡大したりできる仕組みになっていた。 「よし、少し手こずったな……アインソードを持って………」  メインメニューをまた開きユーザーを選択。装備にアインソードを入れてまた閉じると右手にはもう剣を持っていた。すぐに腰元にある鞘に剣を入れる。 「それじゃあ経験値稼ぎの前に買い物するか」  俺は商店街でアイテムをそろえるために歩き出した。
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