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「父さん、今、用意が出来た」 バスルームに来た時、そう言った和馬に『お前も入れ』と告げ、着ているモンを脱ぐ。 大人しく、衣類を脱ぐ和馬。 先に浴室に入り、髪と身体を洗った俺は、浴槽に浸かる。 「遥が帰って来たのは、お前の為じゃねぇから勘違いすんな」 俺の言葉を聞いて『分かっている』と答えた和馬は、髪を洗っている。 「俺も裕香も、お前が決めた事を反対する気持ちはねぇ。 遥だって、恭平だって、翔太だって、俺達と同じ気持ちだ。 だがな、自分の気持ちを言葉で伝えるだけじゃ、相手に伝わる訳がねぇんだ。 本気なら、行動で表せ。 目の前の事から逃げんな」
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