葉山涼々という男

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葉山くんがつくづくわからなくなる。 仮にも、つい数分前に振られた私にキスをした彼の神経がわからない。 泣き顔を可愛いと言う彼がわからない。 なんで知っているのかわからないことを知っている彼が怖い。 今まで、見てきた葉山くんはなんだったんだろう。 「ルカ」と呼ぶ声。あの表情。知らない。 悪寒が走るというよりは、好きなアイドルの熱愛が出たときのショックとか、知りたくなかったことを知ってしまったときの、そういう気持ちに近い。 とはいえ、再び彼に確認する気持ちにもなれなかった。 ピコンと、スマホが音を立てる。 ……部活連絡か。 一瞬、葉山くんからのメッセージではないかと身構えてしまった。 今は、彼からどんなメッセージが来ても返信する気にはなれない。 そんな彼に直接合わなければならない、明日の登校が憂鬱になった。
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