Prologue

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誰もが知っている。 2年3組30番、葉山涼々。 友達が多くて、優しくて、頭が良くて、家はお金持ちで、色素の薄い髪がサラサラしていて、澄んだ瞳からは目が離せない。 彼女はいないらしい。 漫画みたいに、葉山くんが通れば大名行列のような人混みができることはないが、空いている恋人の座を狙っている人は数多だ。 彼は、あの見た目だから裏では、毎夜、夜の街に繰り出しているなんていうのも聞いたし、自分に気のある子はとことん弄ぶなんていうのも聞いた。 まあ、そんなのは噂に尾鰭がついたものだが。 私と同じ英語研究会に所属する彼は、凄く誠実な人で、私も好感を持っている。 そんな彼のことをみんなが好いていた。
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