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その後 episode 2
理人の家に着くと、さっそく荷物の整理を始めた。
与えられた部屋は、一人暮らしをしていたワンルームよりも広い。
クローゼットに服を詰め、本を棚にさしていく。
物が少ないおかげで1時間もかからず作業が終わった。
「理人さん、荷物整理終わりました」
リビングで昼食の準備をしていた理人に声を掛ける。
「お疲れ様。もうお昼、食べられそう?」
「はい。俺も手伝います」
そう言って一緒にキッチンに立つ。
遅めの昼食をとった後は買い物に出かけた。
泊まるときはいつも理人の服を借りていたが、新しくパジャマを買うことにした。
ついでに普段着も少し買い足す。
食器やタオルなどの日用品も、色々と買い揃えていく。
本当にこれから一緒に暮らすんだ、という実感がわいてきてなんだかドキドキする。
家に帰って荷物を置いて、しばらくソファーでくつろぐ。
すぐ触れられる距離に理人がいる。
嬉しくなって理人の方に寝ころび膝枕をする。
「ふふっ。どうしたの?」
甘えた表情でこちらを見つめてくる龍也の髪を丁寧に梳く。
「んーん。幸せだなぁって」
そう言って髪を梳く理人の手に指を絡める。
これから毎日一緒にいられるのだ。
「理人さん、これからもよろしくね」
そう言って微笑む。
「こちらこそ、よろしくね」
絡められた手を取りキスをする。
良く晴れた日の柔らかな午後に、幸せなキスが降り注ぐ。
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