認めて

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それは兄者と同じように戦っていたりと願望が詰まっている。 でも、あと少しというとで目が覚める。 躰を見るといつもの自分だ。 夢で喜んでいる悔しくって布団と夜着を強く握ってしまう。 そのせいで夜着は何回も破ってしまい裏には同じような布が縫い付けてある。 布団も同じだ。 夜着と同じく布が縫い付けてある。 でも、あと少しでこの夢を見なくなるかもしれない。 そしたら、夜着や布団も破らなくなるかもしれない。 家を出ていくからだ。 稽古相手でもある友のところに行くからだ。 嫌だ。  嫌だ。     嫌だ。 僕は男だ。 男なんだ……。 女々しくない。 でもそんなの聞いてもらえれない。 兄者に訴えかけても。 母上に訴えかけても。 乳母に訴えかけても。 みんな、僕から目を背ける。 僕がおかしいの。 教えてよ。         <完>
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