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とある場所を訪れた。
「いらっしゃいませ!ご予約の佐藤様ですか?」
笑顔の眩しい好青年の社員さんが迎えてくれた。
どうぞどうぞ、と綺麗な清潔感のある部屋に連れられながら、今日の目的を確認する。
「今回のご依頼内容は、女性の方への告白、で宜しかったでしょうか?」
「はい、そうです。」
頷きつつ、前のおばあちゃんの言葉を思い出す。
冗談のつもりだったのだが、話だけでも聞こうと思った次第だ。
「正直なところなんですが、こういう大事なことって人に頼んでも大丈夫なのでしょうか?」
自分自身、告白なんて他人から言伝でされたくはない。だが、実際自分ではする勇気などなかった。
「ありだと思いますよ?」
ニコニコしながら、たった一言返される。
商売相手に、不利益になるようなことなんて普通言わないよな...。
「では次に、計画の方を考えて行きましょう。」
あれよあれよと金額から設定まで持ち込まれ、話を聞くだけの筈が、あっという間に日にちまで決まってしまった。
こんなこと、ありなのだろうか。
僕にとっては一世一代の告白。
それを人に任せるなんて、余りにも無責任ではないだろうか?
一週間後に決まった計画だが、心の整理もつかないまま時が過ぎていった。
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