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「ハルちゃんって、瀬野さんと仲良いよね」
帰りの電車の中で、千春が少しばかり探るような目を向けて私に訊ねた。
「仲良いと言えるのかな?偶にふらりと背後に現れるからびっくりする。教育係だから気にしてくれてるのかもね」
「あ、あのね……」
秘密の話でもするかのように、千春が私の袖を少し引いて、身を寄せた。
「ん?」
「瀬野さんには気をつけた方がいいよ」
声を潜めて、千春は私を心配げに覗き込んだ。
「気をつける?」
「えっと、相原さんと辻さんに聞いたんだけど……」
そう前置きして、千春が私に告げた言葉は、少なからず私の心を波立たせるものだった。
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