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シャクシャクシャク。
砕けた星が粉々になってできた砂浜を、ひたすら歩きながら考えます。
雲の上の世界では、たいていのひとは空を駆けることができるのに、どうして自分はそれができないのか。
歩くように飛行を覚えて、子どもたちはみんな<星使い>として、仕事をします。
ある者は、夜空に光る星を磨く『星磨き』として。
ある者は、夜空に映える星座をつくる『星繋ぎ』として。
ある者は、夜空にひときわ輝く一等星を置く『星置き』として。
月の女神さまとともに、夜の空を彩るのです。
けれどルナルナは、空を駆けることができませんでした。
きっといつか自分もと思っていたけれど、そんな機会はおとずれませんでした。
見えない羽をたたみ、雨を降らせたり空に絵具を流したりする大人たちの仕事をすることもできず、途方にくれるルナルナに、おじいちゃんが言ったのです。
わしといっしょに、星を育てよう。
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