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世界の果てにある雲海。その砂浜には、今日もたくさんの星が散らばっていました。
果ての海岸は、夜空を飾るちからが足りずに落ちてしまった星が辿り着く、さみしい場所。
銀色のお月さまが見守るなか、ひとりの女の子が砂浜を歩いていました。
かすかな光を放つ星のカケラを見つけると、大事そうに拾いあげます。
ルナルナがそうやって星を集めていると、ちょうど頭上の星をお世話している<星使い>に、声をかけられました。
――やあい、星拾い。
――またそんな屑星を集めて。いったいどうしようってんだ。
ルナルナよりも年上に見える男の子は、にやにやと笑っています。
ぎゅっと口を結んで、ルナルナは言いました。
――屑星なんかじゃないわ。いつかきっと、立派な星になるもの。
すると男の子は、さらにおかしそうに笑って、こう言うのです。
――そんなことあるもんか。ここいらにあるのは、星の残骸さ。
――輝いて、地上のみんなを楽しませることもできない、ただの石っころ。なんの役にも立ちはしないんだ。
――ああ、でも。そうか。おまえには似合いだな。
男の子はぐるりと旋回すると、東のほうへ飛んでいきます。
そろそろ夜明け。星使いも、眠りにつく時間でしょう。
ルナルナは集めた星をカゴに入れると、歩いて家に戻ることにしました。
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