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そんなふうに過ごしているうちに、乾いてひび割れた星の表面から芽吹き、光を求めて葉を広げていくようになりました。
一枚、また一枚。
両手をひろげるように空へ伸ばし、やがて畑は一面の星の苗となりました。
風が渡り、ざわざわと葉っぱがたなびきます。
畑のまんなかに立つルナルナの足もとでは、ちいさな白い花が揺れています。
星の苗はぐんぐん成長して、いつのまにか花をつけるようになっていました。風に揺れて、シャラシャラと高い音色をひびかせます。
星使いたちが空を駆ける時間になると、星の花は月の光を受けて淡く浮かび上がり、やっぱりシャラシャラと音を鳴らしているのです。
早く芽が出ますように。
おおきく葉が伸びますように。
綺麗な花を咲かせますように。
声をかけ、歌います。
風に乗って畑ぜんぶに聞こえるように、ルナルナは風上に立って歌うのです。
音を鳴らしながら揺れていた花はやがて落ち、そのあとにぷっくりとまるい星の実ができました。
太陽の下で、実はゆっくりゆっくり育ちます。
そうして、ひときわ輝くおおきな星が生まれました。
川をつくるために星を受け取りにきた『星運び』は、輝く星を見て目を見張ります。
――やあ、これはおどろいた。まるで一等星のようじゃないか。
どんなに磨いてもやがて輝きを失っていく星のかわりとして。
欠けてしまった星座にくわえて、もとのかたちを取り戻す手段として。
畑に実った星々は、夜空を彩るようになりました。
とはいえ、もともとはちからの弱い星たちですから、すべてが実るわけではありません。
発育不良で、ぼんやりとしか光らない実もあります。
それらは風に揺られて、ぽろりとみずから茎から離れてしまいます。
かなしいきもちで眺めていたルナルナでしたが、とある夜。
ひときわおおきく吹いた風が畑を渡ったとき、ちいさくて弱い星の実たちがいっせいに空へ向けて飛び立ちました。
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