恋のお話を140文字以内で。

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「恋人っているんですか?」 グラスを口元に運ぶ手が一瞬止まる。視線だけ向けて彼は言う。 「いない。でも……」 好きなひとはいる、と。 店内の喧騒が、ひどく遠くに感じた。 「脈はありそうなんですか?」 こぼれ落ちた声は、驚くほど揺れていた。 彼は口の端を上げて微笑(ほほえ)む。 【(おお)いに脈ありのようだ。】
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