石の惑星

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どのくらい意識を失っていたのだろうか、僕が目を覚ますとベットの横に明澄さんが心配そうな顔をして椅子に座っていた。 僕が目を覚ましたことに気が付いた明澄さんは立ち上がって僕の顔を覗き込みながら、 「星輝さんは魚の生調理をお召し上がりになりましたか?」 明澄さんの問いに僕が頷くと、 「星輝さんには大変申し訳ないことをしてしまいました。  この星で魚の生調理を食べる場合には、星輝さんの体に病院で事前に抗体注入を行わなければならないのです。」 と僕に謝ってきた。 そういえば水の惑星を出るときに旅行社の同僚から抗体注入の話は聞いていたけれど、僕はすっかりそのことを忘れていた。 目が覚めて少し落ち着いた僕は、 「抗体注入の話は水の惑星の同僚に聞いていました。  僕はそのことをすっかり忘れていて、魚の生調理を食べてしまいました。」 と明澄さんに正直に伝えた。 僕はそのまま病院に滞在することになってしまった。 病院滞在中は毎日明澄さんが僕の様子を見に来てくれて、少し時間がかかったが僕の体調は日増しに回復した。 翌日退院となった日、明澄さんが神妙な面持ちで僕に話をしてくれた。 「星輝さんに大切な話があります。  実は星輝さんが入院する前日隕石がドームを貫通して電気精製所に墜落した事故があったことを覚えていると思いますが、それは隕石ではなくて水の惑星からの攻撃だったのです。」 僕は状況がよく理解できず、 「いったいどういうことですか?」 と率直に明澄さんに聞くと、 「水の惑星と石の惑星間の物資の取引について意見が合わず、星間断絶が起きそうな状況です。」 と教えてくれた。 僕は自分は水の惑星に帰ることができるのか不安になった。
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