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「今水の惑星と石の惑星は、宇宙船の運航が停止しています。
このような状況なので、星輝さんは水の惑星に向けて出向する飛行船があったら、すぐに帰ったほうが良いと思います。」
と明澄さんがアドバイスしてくれた。
僕はまずは病院を退院して、状況を整理してから考えようと思った。
翌日僕は無事退院したが、すぐに歩くことができず車椅子の生活となった。
明澄さんは僕を献身的に介護してくれて、僕は明澄さんがいなければこの星でどうなっていたことかと感じた。
明澄さんは車椅子の僕を少しでも楽しませようと、石の惑星の案内を続けてくれた。
石の惑星の動物園、魚園、花園、スポーツ観戦、映画鑑賞、舞台鑑賞、またドームの外側に建設された石の惑星で最も高い電波塔なども案内してくれた。
僕が宿泊しているホテルでも僕の身の回りの世話を献身的にしてくれて、僕にとって明澄さんはなくてはならない存在になっていた。
僕の体調は少しずつ回復して、7日程で普通に歩けるようになるまで回復した。
実は今回の旅行の目的は、もちろん石の惑星を自分の目で見てみたいということがあったが、よく仕事を一緒にする明澄さんに会いたいという気持ちもあったことは事実だ。
僕は水の惑星にいた頃から明澄さんは気になる存在だった。
明澄さんとビデオ会議で打ち合わせをしたり電話で話をすると、明澄さんは僕のお願いをいつも快く受け入れてくれて、そんな明澄さんに対して僕は好感を持っていた。
実際の明澄さんは、僕の思っていた以上にすてきな女性で、僕は水の惑星に帰りたくないという気持ちも芽生えつつあった。
帰星予定まであと10日という日明澄さんから、
「水の惑星に出向する飛行船が明日出発します。
急遽星輝さんの予約を入れておきました。」
と話があり、この時の僕の心境は複雑で、
「はい、ありがとうございます。」
と当たり障りのない返事をした。
明澄さんから指示で、僕は翌日帰るために荷物をまとめた。
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