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降りるエレベーターの中で必死に頭を回転させた。
このマンションは1フロアに3部屋ある。
私の住む601号室はエレベーターを降りて右側。あの女はエレベーターが閉まったと同時に右側に進んだ。そして私の部屋の前に立ち『ここ?』と口を動かし笑った……
「あの女の人が部屋を間違えた? 戻って確認する? いやいやいや、確実にヤバすぎるでしょ。鍵は閉めたけどさ──」
“ポンッ”
エレベーターは1階に到着したが私の足は動かない。
「やっぱり戻って確認しよう……それから警察に電話だ、うん」
─────
────
──
だが戻って確認するという判断は間違っていた。
「あ……」
エレベーターが6階に到着するとあの地味顔の男と鉢合わせた。あの女と同じようにニヤリとした笑みで私の顔を見ている。
「バカだなぁ。せっかく生き延びれたのに戻ってくるなんて──君、運が無いね」
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